驚きのどんでん返し「御宿かわせみ 閻魔まいり」

本作は、御宿かわせみシリーズの十冊目です。

今回は主人公の親友・源三郎が嫁を迎える、記念すべき「源三郎祝言」が。

腕利き同心で、粘り強く穏やかな源三郎。

しかし恋には奥手で、今まで浮いた話はほとんどありませんでした。

そんな彼に、同僚の娘との縁談が。話はトントン拍子に進みますが、肝心の源三郎は、なぜか浮かない様子。主人公の東吾は、親友を心配しますが。

そして、源三郎が親しくしていた札差しの主人がトラブルに巻き込まれ、斬り殺される事件が発生。源三郎は、残された娘のお千絵を案じます。

そして、祝言当日。花嫁が男と駆け落ちする事件が起き、ショックを受ける東吾。窮地を救ったのは東吾の兄・通之進の機転でした。

お互い好き合っているのに、言い出せない源三郎とお千絵の姿に、読者はハラハラドキドキ。

仮の花嫁として、祝言に臨むことになったお千絵、彼女の姿に驚く花婿。

それにしても凄いのは、駆け落ちを予想して、密かに対策を立てていた通之進の冴え。

花嫁の恋人の存在を知り、もしもの時に備えて仮嫁の候補まで選ぶ彼には、感心するばかりです。

しかも、源三郎が好きな相手をちゃんと見抜いて……部下想いの上司に、ホロリとさせられます。

そして珍しく事態が飲み込めず、呆然とする東吾の姿がおかしいのです。