学生時代サークルに打ち込んでいた人必読!有川浩『キケン』

この小説にはとある工学系大学の機械制御研究部(略して「機研=キケン」)というサークルで巻き起こる様々な出来事が綴られていますが、総じて思うのは「皆、アツい」ということです。

自分も学生時代部活動・サークルに属していたので、みんなでワーッとひとつのことに盛り上がるという感覚が非常に共感できました。

特に印象に残っているのは、学際の模擬店(ラーメン屋)のシーンです。

これまでは開催中に偶然数日だけ出ていた「奇跡の味」が、親に喫茶店経営者を持つ部員の出現により連日その味をキープしていく…その試行錯誤の過程に惹き込まれましたし、何といっても出来上がったラーメンの描写!自分も食べたくなってしまいました。

またサークル在籍中の出来事だけでなく、大学を卒業して何年か経ってからの「もう、あの頃には戻れないんだ」「その渦中にいた時が一番楽しかったんだ」という心境もうまく表現されていると思います。

でも、何年たってもそれぞれの心には当時のキラキラ輝いていた自分が残っていて、ふとしたキッカケでいつでもその気持ちを引き出すことができるんだろうなと思いました。作中でも、「他のみんなはもうそれほど心に残っていないかもしれないし」と逡巡する元部員の姿が描かれていますが、久しぶりに学祭に顔を出してみたら当時の同級生が意外と変わってなくて、とても嬉しかっただろうなぁとホロリときました。

サークルに限らず、学生時代何かに熱中していたことのある人にとってはかなり共感できる内容だと思います。