新時代の始まり「新・御宿かわせみ」

御宿かわせみシリーズ、新たな「明治編」の始まりです。

時代は既に維新を終え、明治へ突入済み。

成人した麻太郎(前作主人公の息子)が、イギリス留学から帰国した場面から始まります。

従妹の千春と再会し、無事を喜び合う二人。かわせみメンバーもほとんどが健在ですが、そこに大黒柱である東吾の姿はありません。

乗っていた軍艦が沈み、生死不明のままなのです。

他にも、お馴染みの人達が何人も命を落としていました……。

親戚である麻生家の人々は賊に襲われ、犯人は分からず仕舞い。

その事件を調べていた愛すべき名同心・源三郎も、何者かに襲われ亡くなっていました。その事件がキッカケで、息子の源太郎と母親の間が上手くいかなくなったり。

皆は親しい人の不在や、事件の痛みを引き摺っています。

医師として活躍する麻太郎と、探偵として父の仇を探す源太郎。

息ぴったりな二人の姿は、在りし日の父親達のよう。

しかし、かわせみワールドの人々を愛していた読書としては、お馴染みの人達の不在が辛く、受け止め切れません。こんなことなら、江戸時代で終わっていれば良かった、と思うほど。

ですが、立派に成長した子供世代が活躍する姿は清々しく、希望を感じます。

昔と違い、廃刀令で刀は持てず、敵討ちも禁止。

そんな新時代に、どう事件を解決するのか。

彼らの行方を、見守りたいと思わされます。

ちなみに、麻生家を襲った犯人と対決する話も収録されています。

源右衛門さん達には、生きていて欲しかったなあ……。