妻の仇討ち「新・御宿かわせみ お伊勢まいり」

明治のかわせみ、六冊目です。

五冊目、七冊目は正直、あまりピンとこない内容でしたが……本作は、とても面白く感じました。

かわせみ初の、長編作品ですし。

タイトル通り、るいさん達がお伊勢まいりに行くお話です。

台風のせいで建物が壊れ、修理の為に休業することになった、かわせみ。

そこにやってきたのは、幼なじみのお千絵さん。

町内の旦那衆と伊勢まいりに行くので、一緒に行かないか、との誘いでした。

紆余曲折の末、女中頭のお吉、元岡っ引きの長助と共に出発した、るいさん。

同行するのは大店の主人家族ばかりで、最初は問題なく旅が進みますが……。

やがてメンバーが一人、また一人と命を落とす事件が。

この旅は、誰かが仕組んだものなのか?

やがてるいさんは、お千絵さんが何やら思い詰めているのに気付きます。

もしや、彼女の夫を殺した犯人が、一行の中にいるのでは?と。

お千絵の亡夫・源三郎は名同心でしたが、とある事件で命を落としました。下手人は、いまだに行方不明。

心配するるいさんに、お千絵さんは

「見届け人になって欲しい」

と告げます。

明治の今、敵討ちは違法行為。けれど、大切な夫を殺した相手を許すことは出来ない。

子供達が手を汚さずに済むように、自分が……と。

小太刀を持って走り出すお千絵を、必死で追いかける、るい。

走った先にいたのは……。

源三郎が殺された事件に、ようやく一つの決着がつく、本作。

優しくて立派な夫だった源三郎を奪われた、お千絵の涙が胸に沁みます。記念的作品。