姉弟の再会「御宿かわせみ 清姫おりょう」

本作は、御宿かわせみシリーズの二十二冊目です。

収録作の中で印象的なのは、「横浜から出て来た男」。

主人公の東吾とるいは、墓参りで横浜から来たという中年男性と出会います。

数十年ぶりに故郷に帰った彼は、生き別れた姉の行方を探していました。

母が金持ちの妾だった彼は、手がかりを求めて本妻の子供を訪ねますが、けんもほろろな対応。

仕方ないと諦めて帰ろうとしたところ、突然本妻の息子が訪ねてきました。それも、掌を返した態度で……義理の弟が金持ちになったと知り、豹変したのだと東吾は皮肉に見ますが、初めて本家の兄に暖かくされた弟は、素直に感激しています。

そして兄は、行方不明だった姉を探して連れてきました。

涙を流して喜びますが、だんだん姉を名乗る女の様子に、違和感を感じ始めます。

親の墓の場所を覚えていない、昔の思い出を忘れている、など。

姉は偽物なのでは、とかわせみの皆は心配しますが、その矢先、本家の息子は弟に、金の援助をねだります。

いよいよおかしいと思った東吾を訪ねてきたのは、姉弟の菩提寺の住職。姉はやはり偽物でした。

ならば、本物は一体どこへ……?

義理の弟を騙そうとした兄が受けた、当然の報いとは。

そして、今度こそ本物の姉と再会した弟の様子は。

互いに探し合っていた姉弟が、悲願の対面を果たした場面は、感動です。